澄静な湖川に紅葉を添えて
ひがし北海の
水辺の紅葉スポット
自然豊かなひがし北海道のダイナミックでカラフルな紅葉スポットのなかから今回は、せせらぐ音や水面に映り込む色も美しい水辺の紅葉スポットをご紹介いたします。
条件によって色を変える神秘の湖「オンネトー」
まずご紹介する水辺の紅葉スポットはオンネトーです。
アイヌ語で「老いた・大きな沼」を意味するオンネトーは、阿寒摩周国立公園内に位置し雌阿寒岳の麓に広がる湖です。北海道三大秘湖のひとつで、“秘湖”といわれるだけありアクセスは決してよくありませんが、時間や季節によって湖面の色を変える神秘的な姿を見て、時間をかけて訪れたことを後悔する人は少ないでしょう。
オンネトーでは早いときには 9月下旬ごろから紅葉が始まりますが、例年見頃となるのは10月上旬で、その頃には紅葉する木々と青く澄んだ湖面のコントラストが美しい景色を、静かな原生林の中に身を置き観賞することができます。
湖畔の周辺には散策路が整備されており、雌阿寒岳と阿寒富士を背景としたオンネトーを一望できる木造の展望デッキもあります。
オンネトー
休業日:冬期
アクセス:阿寒湖バスターミナルから車で約30分
ゆっくり散策したい絵になる渓谷
次に、滝上(たきのうえ)町の渓谷「錦仙峡」をご紹介します。
紋別市から車で40分ほどのところにある滝上町はハッカの生産量で日本一を誇り、春には一面がピンク色に染まる日本最大級の芝桜公園「芝ざくら滝上公園」を擁する“香りの里”です。
町きっての景勝地である「錦仙峡」では、清流、激流、それに大小幾多の滝がつくり出す自然の造形美を堪能することができます。景観を損なわないように整備されている遊歩道はふわふわのウッドチップ舗装で足にやさしく、さらに一部はバリアフリー区間となっています。
四季折々の渓谷美、なかでも抜きん出ているのが紅葉の時期です。赤や黄に染まる木々のなかの名瀑、流れる緩急のある川、どこを切り取っても1枚の絵画のようです。
紅葉のシーズンは10月上旬から下旬にかけて。ぜひ探勝に訪れてみてください。
錦仙峡
アクセス:紋別ターミナルから北紋バス上渚滑・滝上方面で約1時間、渓谷ホテル下車、徒歩約2分
色めく森と湖、カヌーから見る特別な世界
最後にご紹介する水辺の紅葉スポットは然別湖(しかりべつこ)です。
然別湖は大雪山国立公園内にある自然湖で、北海道で一番標高が高い湖です。その標高は810メートル。そのため「天空の湖」とも呼ばれています。
湖の周囲をトドマツ、エゾマツ、ダケカンバなどが主体となる原生林が取り囲み、太古の森と湖が織りなす自然美に多くの人が魅了され、自然体験やフォトスポット、森林リゾート地として四季を問わず人気を集めています。
紅葉は9月下旬から10月中旬が見頃で、針葉樹の深緑色にダケカンバの黄色、ナナカマドやカエデの赤色も差し、森は見事な錦色へと変貌します。
然別湖では湖上から紅葉を鑑賞する特別な体験がかないます。
然別湖を中心にガイドサービスを提供する「然別湖ネイチャーセンター」でカヌーの体験メニューに参加すれば、陸上とはまったく異なる目線から色づく森と湖の美景を眺めることができるんです。
湖底までもはっきりと見通せる国内有数の透明度の然別湖、そこにカヌーで浮かび紅葉を眺めると大自然の色彩に溶け込んでいるかのような気持ちに。限られた紅葉の時期にだけできる、然別湖のとっておき体験です。
然別湖周辺は北海道でもごく一部にしか生息していないナキウサギの貴重な観察スポットでもあります。警戒心が強く滅多にお目にかかれないナキウサギですが、然別湖ネイチャーセンターのガイドさんいわく、秋はナキウサギに出会えるチャンスが多いおすすめの季節。自然散策ツアーに参加して、愛らしい姿をひと目見てみたいものです。(画像提供:然別湖ネイチャーセンター)
然別湖
アクセス:JR帯広駅から車で約1時間